馬上の二人

読書記録。ネタバレ有り。

カーター・ディクスン『貴婦人として死す』

貴婦人として死す (創元推理文庫)
 

  シンプルだが画の見える合理的なトリック。カーはトリック自体よりも人物の導線が複雑で面白く、とつぜん軟禁されていた人物が登場するところで「!?」となる。犯人を当てられないようにするための後半の強引な情報の伏せ方がすごくて、メリヴェール卿が犯人に過剰に同情的になっていたように見えた。こんなことしていいのだろうか。