馬上の二人

読書記録。ネタバレ有り。

島田荘司『斜め屋敷の犯罪』

改訂完全版 斜め屋敷の犯罪 (講談社文庫)
 

  これはすごい。斜めに建てられた屋敷がどこかでトリックに使われるということは想像つくと思うのだが、かなりフル活用している。そして、豪快な大技トリックを別の方法に誤認させるための繊細な手続き。三つの密室殺人はどれも似ているのだが、少しずつ解法が違う。

 アルミホイルのところは〈花壇の問題〉を解くための伏線であると思ったのだが、きちんと回収されていなかった。説明を忘れたのか、暗示しておくに留めたのだろうか。