馬上の二人

読書記録。ネタバレ有り。

ポール・アルテ『第四の扉』

第四の扉 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

第四の扉 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

 

 あっさりした文章で展開が早く、読みやすい。

 封蝋と関係したトリックが二種類あることがミスディレクションになっている。大掛かりな謎のわりに解決がシンプルなのがアルテの特徴と聞いていたが、こういう感じなのか。いくらなんでもあの偶然を長編に持ち込むのはどうかと思うが。叙述を用いた仕掛けがある。新本格っぽいかどうかは微妙なところ。

 これも一種の《足跡なき殺人》トリックであるとはいえるかもしれない。もうちょっと死体発見の模様を明確にしてくれれば複雑にできるのに。